今回はエリオット波動について調べてみます。
iFinaceというサイトに説明がありました。( エリオット波動とは|テクニカル分析の基礎知識|iFinance )
エリオット波動
エリオット波動(Elliott Wave)は、米国の会計士・作家であったラルフ・ネルソン・エリオット氏(Ralph Nelson Elliott:1871-1948)が1930年代に提唱したテクニカル分析の理論をいいます。
相場にはパターンがあり、一定のサイクルを繰り返しながら動いていくという考え方で、会計士を退職したエリオット氏が株式市場に関心を持ち、過去のダウ平均株価のチャートを緻密に分析して発見した経験則であり、戦後の1960年代になって再評価され、以降、世界の投資家の注目を集めるようになりました。
エリオット波動の概要
エリオット波動は、相場には共通のパターンがあり、5つの推進波(Motive Waves)と3つの修正波(Corrective Waves)で1つのサイクル(周期)が形成されるというものです。
これより、相場の上昇サイクルでは、5つの波動(上げ→下げ→上げ→下げ→上げ)を描いて上昇し、3つの波動(下げ→上げ→下げ)を描いて下降することになります。
◎相場は無秩序ではなく、サイクルがある。このサイクルは、集団心理や景気変動などによって繰り返される。
◎相場は「上昇5波・下降3波」の周期性をもって動き、一つのサイクルを構成する。また、それぞれの波の中には、さらに小さな「上昇5波・下降3波」が含まれるフラクタル(自己相似性)構造となっている。
◎全ての作用には反作用が伴うことから、相場の上昇や下落の局面では必ず調整の動きが伴う。
◎元々は、株式市場において、市場平均の推移を想定しているため、個別銘柄ではあまり使えない。また、今日では、外国為替市場や商品市場などの分析でもよく使われる。
◎通貨ペアで取引される外国為替市場では、上昇サイクルの他に、5つの波動(下げ→上げ→下げ→上げ→下げ)を描いて下降し、3つの波動(上げ→下げ→上げ)を描いて上昇する「下降サイクル」も使われる。
エリオット波動のサイクル
エリオット波動は、フラクタル構造となっており、長期から短期まで様々な周期(サイクル)のチャートで同じパターンが見られるとされており、具体的には以下のようなサイクルがあります。
・グランドスーパーサイクル:100年以上(数世紀)
・スーパーサイクル:40~70年(数十年)
・サイクル:1年から数年
・プライマリ:数カ月から2年
・インターメディエイト:数週間から数カ月
・マイナー:数週間
・ミニュット:数日間
・ミニュエット:数時間
・サブミニュエット:数分間
エリオット波動の推進波と修正波
エリオット波動は、5つの推進波(1波、2波、3波、4波、5波)と3つの修正波(a波、b波、c波)から構成されます。
|1波|
値固めの段階であり、じわじわとした動きで徐々に方向性が明らかになる。通常、5つの波の中で最も短い。
|2波|
1波の大半を打ち消す反対方向のかなり強い動き。1波の始点(底)を割り込まなければ、本格的な上昇につながる。
|3波|
5つの波の中で一番長く力強く、また出来高が最も多くなる。
|4波|
乱高下が続く複雑な動きで、高値持ち合いに近い。また、1波の天井より下に行くことはない。
|5波|
ある程度の上昇後、相場の天井の警告を始める。
|a波|
識別は難しいが、出来高の変動(増加)が現れる。
|b波|
戻し(一時的な反発)の局面で、出来高は増えない。
|c波|
一つのトレンドが終了したことに疑いの余地がなくなる。
エリオット波動の3原則
エリオット波動は、通常、下記の3原則を満たしていれば、成立するとされますが、一方で3原則を満たしていても、必ずしもエリオット波動の値動きにならないこともあります。
●原則1
推進波において、3波は、1波・3波・5波の中で一番短くなることはない。
●原則2
推進波において、2波が、1波の始点を超えて修正することはない(1波よりも安値をつけることはない)。
●原則3
推進波において、4波が1波の高値を割り込むことはない。
エリオット波動のエクステンション
エリオット波動は、パターンを描き一定のサイクルを繰り返しながら動いていきますが、時として、上昇局面における1波・3波・5波のいずれかにおいて、形が崩れたり、波の数が違ったりして、一つの波動が長くなることも多く、この現象を「エクステンション(Extension)」と呼んでいます。
通常、エクステンションが起るのは一つの波だけで、株式の場合は3波に、商品の場合は5波に現れることが多いと言われています。
エリオット波動の活用
エリオット波動は、多くのトレーダーやテクニカルアナリストなどが相場の方向性を予測する際に活用しています。
◎相場のサイクルでの局面(価格の位置)や新たなトレンドの発生などを予測することができる。
◎フィボナッチ比率を活用することで波動の転換点を予測することができるため、チャート分析でフィボナッチ・リトレースメントを併用することが多い。
◎波の数やサイクルに注目することで、エントリポイントやエグジットポイントを探せる。
現在と過去のデータから不確実な未来を予測するため、ひとは様々な理論を創り上げてきました。それがどの程度の精度で立証されるか?すべては検証することでした証明はできません。
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