ことばには力があります。神様へ伝える言葉は祝詞です。
祝詞について調べてみました。ウイキペディアには以下の記述がありました。
祝詞(のりと)は、神道の祭祀において神に対して唱える言葉で、文体・措辞・書式などに固有の特徴を持つ。
概説
語義・語源
ノリトのノリは「宣る」の名詞形で、呪的に重大な発言をすること。トは屎戸・詛戸・事戸などのトと同様に呪的な行為や物につける接尾語と解するのが、通説となりつつある。賀茂真淵は詔賜言(のりたべごと)、本居宣長は宣説言(のりときごと)をノリトの語源と説いたが、こんにちでは認められていない。本来はノリトの語形であったのがコト(言)を加えてノリトゴトとなったとする説と、逆にノリトゴトの語形だったのがノリトと略されたとする説とがある。平安時代後期以降は音便化してノットとも呼ばれるようになった。
ノリトの表記
ノリトに「祝詞」の字をあてたのは、中国における用字「祝文」の「文」を「詞」に変えたもので、「祝文」は巫祝が神に対して申した言葉を意味する。古代律令制下における法制上の用語としては「祝詞」で統一されているが、他に以下のような表記がある。
- 詔戸言(のりとごと)……『古事記』上巻
- 諄辞(のりと)……『日本書紀』神代上
- 詔刀(のりと)……『延喜式』巻四
- 詔刀言(のりとごと)……『中臣寿詞』
- 告刀(のりと)……『皇大神宮儀式帳』
- 法刀言(のりとごと)……『令集解』
文体と内容[編集]
後述の延喜式所載の祝詞の文体は、宣命体と奏上体の二種に大別できる。宣命体は「諸聞き食へよと宣ふ」「称へ辞竟へ奉らくと宣ふ」のような語句で終え、祭祀の場に参集した人々に宣読する形式のものである。それに対し、奏上体では「申し給はくと申す」「称へ辞竟へ奉らくと申す」などと終え、直接神に対して奏上する形式のものである。ノリトのノリに「宣り聞かせる」という意味があることから、宣命体の祝詞が古く、本義を伝えるものであるとも考えられるが、軽々には決着がつけがたい。
折口信夫は日本文学の発生を信仰起源説に起き、文学の発生をうながした口頭詞章のひとつとして呪言を想定した。呪言には上から下へ宣り下す詞章と、下から上へ申し開きをする詞章があり、前者は神が精霊に命令し、後者は精霊が神に屈服を誓約する言葉である。これが天皇と臣下の関係に移行して、前者がノリト、後者がヨゴトと称されるようになったという。また、神より命令された精霊が、さらに下の精霊に伝達する言葉をイワイゴトであるとした。
構成と表現法
延喜式祝詞の多くは、おおよそまず祭神の御名を唱え、あるいは神代の伝承から説き起こして当該祭祀の由来を述べ、つづいて神徳を称え、神饌や幣帛を奉り、祈願の趣旨が述べる。より後代に成立したと目される祝詞においては、冒頭における神代の伝承を省くものもある。その表現法は、比喩、列挙、反復、対語、対句などの修辞が用いられ、善言美辞をつくし、荘重な格調を織りなすものとなっている。
表記法
厳粛であるべき祭祀の場において読み誤りを防ぐため、祝詞においては独特な表記法がとられている。すべて漢字が用いられているものの、漢文ではなく日本語の語順によって、主に体言や動詞、形容詞の語幹が正訓字として大きく書かれ、用言の活用語尾や助詞、助動詞などが万葉仮名で小さく書かれる。これを宣命書きという。これは古代において和風を含む漢文体に比べて正確に音声化しうる表記法であって、時代がくだり漢字仮名交じり文が成立してからも祝詞は宣命書きをもって書かれ、こんにちにおいてもこれは同様である。
祝詞の種類
こんにち一般に祝詞といわれるものは、以下のように分類できる。このうち御告文以降は皇室祭祀における特殊な祝詞である。
- 祝詞(のりと)
- もっとも狭い意味での祝詞。神饌その他を奉り、神祇を祀る際に奏上する詞。
- 拝詞(はいし)
- 祭典を行わず、単に神祇を拝する際に奏上する詞。
- 祓詞(はらえことば)
- 祓を修するとき、祓の神に奏上する詞。
- 祭詞(さいし)
- 神社本庁包括下の神社においては、例祭、鎮座祭、本殿遷座祭、式年祭において献幣使が奏上する詞。また、神葬祭において奏上される詞。
- 御告文(おつげぶみ)
- 天皇が神祇を親祭するときに奏上する詞。一般に、親告される勅語、または勅語を記した口上書もこう称する。皇太子や皇族の場合は「御」を省き「告文」という。これは明治以降「こくぶん」であったが、現在は「つげぶみ」と称されている。
- 御祭文(ごさいもん)
- 勅使が神祇に奏上する詞。明治6年(1873年)4月3日の太政官布告第123号以前は宣命と称した。
- 策命文(さくみょうぶん)
- 山陵(天皇・皇后の墓所)や御墓(皇太子・皇族の墓所)において行われる祭祀で奏上する詞。
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