祝詞③

祝詞についてさらにウイキペディアには以下の記述がありました。

現代の祝詞

現代において神職は、上記の延喜式所載の祝詞や続日本紀の宣命などを典拠として、大和言葉を用いて祝詞を作文している。地鎮祭や建物解体時の工事の安全に関わる祭祀、結婚式、初宮詣などの人生儀礼の祭祀、通夜祭や葬場祭などの葬祭など、祭祀の種類は多岐にわたるが、その祭祀の内容を踏まえてその都度、作文するのが原則である。明治期以降、数多くの祝詞例文集が出版されており、それを作文の上で参考にするのは問題ないが、頼りすぎて表現が固定化され、本来の祝詞の意義からは外れているという指摘もある。一方、祭儀の前に行う修祓での祓詞(はらえことば)や大祓式での大祓詞(おおはらえことば)など、文面が決まっているものを奏上することもある

作法

本節では、おもに神社本庁包括下における神社に奉職する、神職の作法について述べる。

大祭式における宮司の作法

まず祭員が神前に軾(ひざつき)を設置する。つぎに宮司は祗候していた場所を起ち、(多くは他の)祭員が捧持してきた祝詞を受ける。このとき宮司は祝詞を笏に添えて持つ。その祭員は自座に戻るのと時を同じくして宮司は神前に進み、軾の前で小揖したのち、左膝より軾について三歩膝進し、着座して深揖する。つづいて再拝、笏を右腿横に置いたあと、祝詞を自らの左側で開き、開ききったのちに祝詞の上端が目の高さにくるようにしてから奏上する。祝詞奏上の間は、諸員みな平伏する。奏上後は再び左側にて祝詞を巻き、巻き終わったのちに笏を右膝上に戻して、それに祝詞を添える。再拝二拍手一拝のあと深揖、右足より三歩膝退してから起ち、小揖して祗候の座に戻る。先に、祝詞を渡した祭員がこの間に本座を離れ、宮司が祗侯の座に戻る途中で待機し、宮司より祝詞を授かる。その間、先に軾を設置した祭員が、神前より軾を撤する。

なお、立礼では軾を用いない。宮司が初めから祝詞を懐中している場合は、むろん上記の祝詞の授受の部分はない。

女子が宮司の場合は祝詞を受け取ったあと、すぐに懐中する

小揖では15度、深揖では45度、平伏では60度、拝では90度に腰を折って拝礼する。小揖及び深揖では体を起こしたあと笏、扇を正す作法になるが、平伏では体を起こしつつ、笏、扇を正す。また、再拝は拝をつづけて二度、行うことである

執り方、持ち方、扱い方

下記文中「祝詞の折端」は表紙側、表側とほぼ同じ意味である。

祭祀中、斎主(多くは宮司)との間で祝詞の授受を行う祭員は、祝詞の折端を内側にし、右手にて下部を上より、左手にて上部を下より取り、胸の高さ、左をやや高くして持つ。これを斎主に渡すときは、祝詞を立てて、右手で外側からその上部を取り、左手でその下部を支え、折端を外にして渡す。祝詞奏上後、斎主より祝詞を受け取るときは、右手で祝詞の下部を取り、左手でその上部を取って受け取る。

斎主が祝詞を受け取るときは、笏を左手で支え、右手で祝詞の中ほどを横から取って、笏の内側に添えて持つ。祭員に授けるときには、笏を左手で支え、右手で祝詞の上部を外側から取り、折端を外にして授ける。祝詞を開くときは、左手で中ほどを、右手でその折端を取り、左側で開く。奏上後に巻くときも、左側で行う。

女子の場合、祝詞を受けるとき、坐礼では扇を膝前正面に横に置き、跪居もしくは立っている場合には、扇を懐中したあと、右手で祝詞の中ほどを横から取り、左手を下部に添えて受けてこれを懐中してから、扇を再び持つ。祝詞を授けるときは、座っている場合は扇を膝前正面に横に置き、跪居もしくは立っている場合は、扇を懐中後、右手で祝詞の上部を取り、左手で下部に添えて、折端を外にして授ける。授けたあと、扇を再び持つ

神社有職故実

本節では、祝詞に関する神社有職故実に関する事項を述べる。

祝詞の料紙

こんにちでは大奉書紙を用いることが多いが、他に鳥の子紙、杉原紙など白い和紙が用いられてきた。勅使が伊勢の神宮や神社、山陵で奏上する御祭文(宣命)の料紙は、延喜式の規定どおり伊勢は縹色、賀茂は紅色、その他は黄色の紙が用いられている。浄書後は七折半になるように折り、末尾から巻く

祝詞袋

祭祀の際には、神職は祝詞を懐中するか、祝詞袋に納めて後取(しどり)に捧持させる。祝詞袋は、多くは赤地大和錦(裏同色平絹)、または青地大和錦(裏白平絹)を用いるが、こんにちでは斎服を装束とする祭祀において白色を、神葬祭の一連の祭儀において鈍色を用いるなど、多様である。安置用と捧持用の二種がある

祝詞正案

出雲大社では、祝詞奏上前に後取が祝詞正案を薦上に据え、その上に祝詞と玉串を置き、祝詞正案の前に軾を敷く。斎主は、祝詞奏上後に祝詞を巻き、祝詞正案の上に置く。後取は祝詞奏上後にこれらを徹する。なお祝詞正案は、祝詞奏上のために使用される小型の案である

 

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