9月18日

1971年9月18日 日清カップヌードルが発売されました。

カップヌードル(英語: Cup Noodles、和製英語: Cup Noodle)は、日清食品が1971年(昭和46年)9月18日から発売しているカップ麺、およびカップライス、冷凍ライスのブランド。親会社である日清食品ホールディングスの登録商標

2022年2月時点で累計販売数500億食を超える。

世界初のカップ麺であるロングセラー商品であり、時代とともに多様化によって、さまざまな風味の商品や「ミニ」「BIG」などの異なるサイズの商品も発売されている。いずれもカップに熱湯を注いで3分で食べられるタイプであり、扁平の細麺と粉末スープとフリーズドライ化された具材が入っている。

大量生産にあたってはさまざまな工夫が凝らされている。のちに多くの食品メーカーから同種の商品が発売されたが、味別の販売数ランキング(2006年時点)は、第1位「オリジナル(しょうゆ)」、第2位「シーフード」、第3位「カレー」となっており、「オリジナル(しょうゆ)」は発売以来首位を継続している

2011年時点で世界80カ国で発売され、発売以降の世界累計販売数は310億食、2016年3月に400億食、2021年8月には500億食を達成した

カップは、かつては発泡スチロール製であったが、次々に発生する問題により、紙製となったり異なる加工法を採用するなど変化がある。

フィリピンでは「シーフードヌードル」が高い人気を得ており、日本からの土産物として定番化した商品となっている

開発史

当時の日清の社長でチキンラーメンの開発者である安藤百福が、紙コップで手軽に食べられるラーメンをと発案して作られた。それぞれの開発の変遷については安藤百福発明記念館(カップヌードルミュージアム)で詳細を知ることができる。

出発点

1966年(昭和41年)、安藤がチキンラーメンの日本国外進出を目指してアメリカ・ロサンゼルスのスーパーマーケットに売り込んだものの、アメリカには手近に箸や丼がないことに気づかされる。そして、アメリカ人バイヤーが考えた末にチキンラーメンを砕いて紙コップに入れ、これに熱湯を注いでフォークで食べたことがヒントになった。安藤はラーメンが丼と箸という枷を逃れて日本国外進出する事を見据え、いつでもどこでも食べられる容器入りのインスタントラーメンの開発を思い立った。早速売り込みから戻った安藤はホテル内で試したが、当時の紙コップはロウを用いたパラフィン紙製だったこともあり、「紙コップ臭くておいしく食べられなかった」と後に述べている。このことから、後に『環境ホルモン報道問題』による影響から他社のカップ麺容器が紙コップ製に置き換えられた時期でも、本製品のカップ素材は発泡スチロール製のまま長らく変更されなかった。ちなみに、食品衛生基準が厳しいドイツでは陶製の容器で販売されて価格が高かった。

また、日本向け製品で用いられているアルミ箔と紙を貼り合わせた構造の密封性の高いフタは、安藤がアメリカから帰国する際の機内食で出されたマカダミアナッツの密封パックで使われていたものをヒントにしている。安藤はこのパックを開封したものに加え、未開封のものを別に1つもらって持ち帰り、容器の開発時の資料とした。その現物は今も日清食品で保管されている。

容器と構造

発売当初より2008年(平成20年)3月までは全商品発泡スチロール製の容器が採用されていた。

2008年(平成20年)4月以降は一部先行商品を除き、環境保護の観点から発泡ポリエチレン断熱皮膜加工の紙製カップ(通称・エコカップ)へと切り替わっている。また、これまで包装フィルムに印字されていた賞味期限の年月日表記が容器の底に印字されるようになり、製造工場(例:関東工場製造、静岡工場製造、関西工場製造、下関工場製造、札幌日清製造)の表記も付くようになった。

発売当初から長期間採用された発泡スチロール製の容器は乾燥麺の封入で容器自体の強度を上げたりと、梱包方法一つをとってもさまざまな工夫の積み重ねと試行錯誤の繰り返しにより決定された。麺は「瞬間油熱乾燥法」と呼ばれる方法で製造されている。一般の袋入りインスタントラーメンの麺塊は厚みが3cm程度であるのに対し、当製品の麺塊はカップの形状に合わせた円錐台形である。そのことから厚みが4cmほどあり、普通に揚げると中は半生に、油温を上げると中が適度な状態になるが外側が黒く焦げるなど、開発時にはなかなか麺全体にうまく熱が行き渡らず苦心したという。この問題の解決にも、チキンラーメンと同じく天ぷらからヒントを得た事が大きく貢献したとされる。

また、カップの底に空洞があるのは「出荷時の麺割れを防ぐ(中間保持構造)と同時に、湯をそそいだ時に対流を発生させ、時間の経過とともに徐々に麺の重心が下に移動することにより、3分後の完成時には何もしなくても全体が自然とほぐれ食べやすくなり、その時にスープの水分も密度の高い上部と下部でまんべんなく行き渡るように計算されている(疎密麺塊構造)」というのがメーカー側の説明である。これら中間保持構造と疎密麺塊構造については、日清食品が関係する特許を取得し保持していたが、既にその権利に関する大部分は期限が切れている。

上記麺塊構造は当初粉末スープが底入れであったため、縦長のカップ容積いっぱいに麺が詰め込まれているとスープが全体にまんべんなく行き渡らず、普通にお湯を注いだだけではカップ底部に溶けきらない粉末スープがほとんど残ったままになるという欠点があった。この点においては粉末スープの場所をカップの底から麺の上へ変更することで改善されたが、発売されてから20年以上経ってからの改良だった。

具材

袋麺と異なり、いわゆる乾物は開発時に試されたものの湯を注いでから元に戻るまで3分以上かかるため断念され、フリーズドライ製法を採用している。

日本向け製品に、伝統的に小さな剥きエビを採用したのは、製品開発当時に豪華さが感じられる食材として、真っ先にエビが挙げられ、採用されたという逸話があり、60種を超える世界各国のエビの剥き身 をフリーズドライ化して試した結果、インド洋沖で獲れるプーバランという、当時の日本にはほとんど輸入されていなかった高級食材種が採用された

この「エビ戦略」は、航空機の機内食に見られる豪華さと簡便性の両立というテーマに沿ったものである。

この他の具材としては、見た目を重視し、ラーメンにも使われているネギや、スクランブルエッグに類似したタマゴ、味の濃いミンチ肉(成型肉)という組み合わせである

ダイスミンチ

具材として、サイコロ状のミンチ肉(正式名称は『ダイスミンチ)が入っている。豚肉のミンチに大豆や野菜などを混合した上でフリーズドライ加工したものである

2009年(平成21年)4月20日より品質向上及び具材強化の一環として、それまでのレギュラーサイズのダイスミンチから小さな角切りのチャーシュー『コロ・チャー』へ順次変更される事となり、ダイスミンチはカップヌードルから一時的に姿を消した。その後、2015年(平成27年)4月の再リニューアルにより、カップヌードル・カップヌードルビッグ(オリジナル)に再びダイスミンチが入るようになった。従来のコロ・チャーも入っている。

独特な食感などから一部に人気があり、古くから2ちゃんねるを始めとしたインターネット上では「謎の肉」「あの肉」「謎肉」「ぞぬ肉」と呼ばれていたが、2016年(平成28年)7月27日にTwitterの公式アカウントが「CUP NOODLE なぞにく」と書かれたカップヌードルと同じ外装のコンビーフ缶を開缶する画像を投稿。同年9月12日には「カップヌードルビッグ “謎肉祭” 肉盛りペッパーしょうゆ」が発売されるなど、日清食品サイドでも「謎肉(なぞにく)」を公式の通称として採用し、商品名と販売促進が展開されるようになった。

「謎肉祭」という名称は日清食品社長の安藤徳隆が提案したものだが、当初は「ミートショック」という商品名が考えられていた。「謎肉」の名称を使うにあたり、自社製品に「謎」と命名する事によるリスクが懸念されたが、安藤の強い推薦でこの名称に決定したという

2019年(令和元年)10月21日には、謎肉(ダイスミンチ)を増量したリニューアル版が発売された

また、ダイスミンチをモチーフにしたルービックキューブも販売されている。

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