学校の先生が不足しているという話を聞きました。先生は大変な仕事です。高校時代の友人が小学校の先生をしています。数年前に一緒に酒を飲む機会がありました。その時にモンスターペアレンツの話が出ました。その友人もモンスターペアレンツの対応をしたことがあったそうです。とにかく学校や先生たちに対する要望が多い。またさらに度を越えている。なんでもかんでも学校側へ押し付けようとする。なんでこんな大人がいるのか不思議。時代がよくなったからかもしれません。自分たちが小学生だったころは、高度成長期の終わりごろ。大量生産、大量消費が美徳となりだした時代です。親たちの世代は戦争経験者や戦後のベビーブーム世代です。戦後の食糧難の時代を生き抜き、子供たちへはそのような苦労はさせたくないと一生懸命はたらくこと、そして貯金をする。それが親たちの生活スタイルだったと思います。
いまの小学生や中学生の親世代はわたしよりも少し若い世代です。大量生産、大量消費が当たり前の時代に幼少期を過ごし、なにも不自由のなく成長した人たちです。大学への進学率も高く教養のある人たちです。教養の高さはプライドの高さになります。プライドが高いがゆえに不公平、不平等な扱いに対して敏感になるのだと思います。また、少子化で子供が少ない。一人っ子世帯が多い。わが子に掛ける愛情、時間、手間、労力は昔の比較にならないほど多くなっている。かわいいわが子のために学校への苦情は躊躇しない。そんな構図でモンスターペアレンツとなるのでしょう。
また、学校の先生の業務が多岐にわたることも指摘されています。外国の先生と比較して圧倒的に日本の先生は多忙です。その筆頭が部活の顧問。土日や夏休み、冬休み、春休みでも自分の時間を割いて部活に使う。好きでやっている先生もいれば、そうでない先生もいます。そのほかにも掃除や教材の選定、購入 地域との連携、防犯活動などなど教育に関係ないような仕事もやることがあるようです。
教員不足をおぎなうために臨時教員が採用されます。しかし、臨時教員は期限付きです。時期が来れば職を失います。常勤の先生となるためには試験に合格しなくてはなりません。臨時教員の方も採用試験に合格しなくては常勤の正職員となれません。臨時教員でもやる仕事は常勤の教員とほとんど同じだそうです。そのため勉強に使える時間が本当に少ないようです。そのようなことが教員になりたい人を少なくしている要因の一つです。
今、さまざまな職種で労働環境の改善が叫ばれています。学校の先生もそのひとつです。昔はなあなあで済ませていたことが、いまはそうではないことが多いです。書類などは多分かなり多くなっているのではないでしょうか?管理する上では必要となる書類が多くなっている。また、昔はやらなかったことも先生の業務になっている。自分が小学生の時は用務員のおじさんが学校にいました。そのような方もいまはいなくなり、用務員さんがしていた仕事を先生がやっていたりする。残業時間は昔では当たり前にやっていたこと。残業代がでなくてもサービス残業をしていた。残業代がでなくてもその仕事をやり切ろうとする気持ちが高く、自分の仕事に対するプライドと責任感が強いひとが多かったのでないかと思います。
今の学校の先生たちは本当に先生になりたくなったのかな?と疑問に思うこともあります。自分の夢を叶えるために先生になった人がどれだけいるのか?しかたなく教育学部にはいり、なんとなくその流れで教員免許をとり、先生をやっているひとも少なからずいるように思います。とにかくいろんなところで組織の在り方を変えなくてはいけない状態になっています。いままでやっていたやり方では、マッチしないほど時代も人も環境も変わってきたのだと思います。
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