葉っぱの切り絵とADHD

今日、テレビを見ていて葉っぱの切り絵をされている方を紹介していました。非常に繊細な作品に驚きました。この方、学校を卒業して普通に会社に就職されたそうです。しかし、仕事ができなかったそうです。そのため大変悩んだそうです。病院で診断を受けた結果、ADHDとし分かったそうです。NCNP病院のHPには以下の記述がありました。注意欠如・多動症(ADHD)とは、年齢あるいは発達に不相応に、不注意、落ちつきのなさ、衝動性などの問題が、生活や学業に悪影響を及ぼしており、その状態が6ヶ月以上持続していることと定義されています。脳機能の発達や成熟に偏りが生じた結果と考えられていますが、その原因はまだよくわかっていません。遺伝的な素因や周産期の問題、環境要因などが複雑に関連して症状が現れるといわれています。約5%のこどもがADHDと診断されています。男児は女児より3から5倍多いことも知られています。ADHDのこどもたちへの対応が不適切な場合、反抗的な態度や攻撃的な行動をきたす問題行動が現れること、学習の遅れ、精神的ストレスからメンタルヘルスの異常をきたすことがあり、適切な早期介入が重要であると考えられています。

以下の9つの症状がそれぞれ(不注意と多動・衝動性)6項目以上みられて、それらが6か月以上継続し、家庭や学校など二つ以上の環境で、生活や学業に悪影響をきたしているときにはADHDの可能性があります。

不注意

  • 学業・仕事中に不注意な間違いが多い。
  • 課題や遊びの活動中に、注意を持続することが出来ない
  • 直接話しかけると聞いていないように見える。
  • 指示に従えず、業務をやり遂げることが出来ない
  • 課題や活動を順序立てることがむずかしい
  • 精神的努力の持続を要する課題を避ける、いやいや行う
  • なくし物が多い
  • 他の刺激によって気が散りやすい
  • 日々の活動の中で忘れっぽい

多動・衝動性

  • 手足をそわそわ動かしたり、いすの上でもじもじする
  • 授業中に席を離れる
  • 不適切な状況で走り回ったり高いところに登ったりする
  • 静かに遊べない
  • まるでエンジンで動かされているように行動する
  • しゃべりすぎる
  • 質問が終わる前に出し抜けに答えてしまう
  • 順番を待てない
  • 他人の邪魔をする

最近はADHDという言葉をよく聞くようになりました。昔なら落ち着きがない子供とか集中力がないとか言われていた子供はADHDだったのだとわかります。本人もわかっていてもどうしようもない病気なのですから仕方ないです。昔はそのような子供は問題児とされていました。先生の指示に従わない悪い子とされました。何度も注意されてもまたやってしまう。周りから見れば大変困った子供です。同級生からも変な目で見られ疎外されたり、いじめのターゲットになってしまいました。

人はみな違います。それぞれの個性を持っています。ADHDもその個性の一つです。その個性を尊重し正しく対応することが必要です。メディカルノートのHPに以下の記述がありました。

ADHDの症状への対応(治療)には、薬による治療のほかに

  • 環境調整
  • ペアレントトレーニング
  • ソーシャルスキル・トレーニング

などの心理社会的治療があります。

環境調整とは、ADHDの子どもの周囲の環境(家庭や学校など)を調整し、子どもが自信をもって生活でき、自分の症状を前向きに理解して行動できるようにするための方法です。

大きくは次の3つのステップで進めていきます。

  1. 情報を減らして困難さを予防する
  2. 周囲の理解者を得るために交渉をする
  3. 最終的に、症状が出ても困らないためのアイデアを自身で生み出せるようになる

(1) 入力情報を減らして困難さを予防する

ADHDの患者さんは集中すべき場面であっても、ほかの子どもであれば気にならないような教室内のガヤガヤした音や教室の壁に貼られた掲示物などに反応してしまい、すぐにそちらに気を取られがちです。そのため、まずはADHDの子どもの抱える困難さを理解し、次に、掲示物を減らす、座席は先生の前に用意するといった、外から入ってくる情報を減らしてゆきます。

(2) 周囲の理解者を得るために交渉をする

他の子が気にならないようなことに過敏になってしまうため、症状があることを伝えなければ周囲の理解が得られないことがしばしばあります。そこで、入力情報を減らすほかに、周囲にサポートをお願いすることも大切です。小さいころは保護者や教師などが主体となり、「その子にとって困難な入力情報はなにか?」「困ってしまったときの対処(短時間、静かな場所へ避難することを許してあげる、など)」について皆が理解できるようお願い(交渉)をしてゆきます。

(3) 最終的に、症状が出ても困らないためのアイデアを自身で生み出せるようになる

最終的には、自身のADHDの症状を理解し、自ら周りに交渉する、またはADHDの症状が出ても困らないアイデア(積極的にメモをとるなど)を考え、実践します。

ここまでできるようになれば、たとえADHDであっても症状と向き合いながら自信をもって学校に通ったり、就労したりすることができることが多いです。

リトさんは集中力が半端ないようです。細かい事に集中できる素質を持っているそうです。できないことばかりを気にするのではなく、できる事、得意なことに目を向けるべき。そうすることが生きることが楽になる。

コメント

タイトルとURLをコピーしました