優秀な人材はどこへ

昔勤めていた会社で管理職をしていた時に部下の教育について考えたことがありました。毎年のように新人が自分の部署に配属されました。1~2年で他部署へ異動となりました。営業の部署であったので営業に関する教育が主となりました。各営業マンは得意先を担当しさらにエリアも担当するスタイルでした。エリア担当はその地域にある小売店や飲食店も担当することとなりました。自分が入社したころは営業マンも多く東京都内は2つのグループに分かれていました。総勢14~5名くらいでした。時代の流れとともに小売店の様子も変わって行きました。いわゆる一般小売店と呼ばれる個人経営の小売店が昔は主軸でしたが、組織小売業へのシフトが急速になりました。コンビニ、スーパー、ディスカウントストアー等の売上が年々大きくなりました。自分の部署は関東広域のエリアでそこに所在する地元スーパーなどが主たる販売先となっていました。新人にも担当を持たせて営業活動をしてもらいました。

営業マンですからいかに売り上げを高めるかが仕事です。小売店での扱い品目を増やしてもらうこと。すでに取り扱いのある商品の販売数をあげる事、取引のない小売店、飲食店を開拓することが主たる仕事となります。新人にはまず自分がやらなくてはならない仕事は何かを知ってもらうことから始めました。新人といっても新卒のものもいれば第二新卒のものもいました。1年程度社会人経験をしたものは比較的覚えがよかった印象です。業種や職種が違っていてもなんとなく理解できていたように思います。しかし、中にはてこずる新人もいました。営業経験はあってもやはり業種が違えば営業のスタイルも異なります。そこで戸惑う新人もいました。頭と柔軟にして素直に上司、先輩の言うことを聞く新人は早く成長します。変なこだわりや自分なりの考えに凝り固まってる新人は苦戦しました。また、コミュニケーションに困ることもしばしばありました。指示したことができていないというようなことがありました。こちらはきちんと伝えたつもりですが、そうではなかったことがありました。その時、自分の伝えた方を変えようと思いました。口頭だけで伝えるのではなくメモなども一緒に渡すように変えました。その後はミスが少なりなりました。また、単純にやってほしい事だけを伝えるのではなく、こういう背景があって今 きみにこうしてほしい。そればいつまでに。そしてその後はこのような見込みがあり 次のアクションはこのような事を考えている…というような感じで部下への指示を出す工夫をしました。他部署の管理職が部下が指示通りに動かないなどと不満を漏らしているのを聞くことがありました。わたしは伝え方を変える事を勧めました。部下が思い通りに動かないのは上司の対応の悪さだと思います。

また、中小企業の人材不足は深刻な問題です。いい人材が来ないのは事実です。いいとされる人材は上場企業など優良企業へ行ってしまいます。かなしいかなそれなりの給料が払えないと人材は確保できません。また、中小企業では社員を育成できる人材がいません。昔は終身雇用制が当たり前でしたので、優秀な人材が一旦入社すれば退職までそこの会社で働き続けました。しかし、今の時代では終身雇用制はほとんど崩壊しています。優秀な人材はすぐに転職してしまいます。優秀でない転職できない人が会社に残ることになります。わたくしが思う優秀な人材は単純に勉強ができる人ではありません。コミュニケーション能力、企画力、行動力、そして何より人としての人間力のある人です。どんな会社でも欲しい人材です。優秀な人材は流出しで、そうでない人材が残ってしまう。残念ながらそれが社会の仕組みとなっています。

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