平将門様

平将門様に興味惹かれ、本を2冊購入しました。一つは吉川英治さんの「平の将門」吉川英治歴史時代文庫46 講談社、もう1冊は童門冬二さんの小説 平将門 全1冊 集英社文庫です。はじめに吉川英治さんの本を読み、今、童門冬二さんの本を読んでいる最中です。吉川英治さんの本は約500ページ、童門冬二さんの本は700ページ弱です。まだ、童門冬二さんの本が途中ですが、少しこの2冊の記述を比較してみたいと思います。

まず、吉川英治さんの本では、将門様の父 良持様が亡くなり叔父たちの進言で都へ行くことになります。そして当時の実力者 藤原忠平に使える事となります。一方、童門冬二さんの本では、いとこの貞盛とともに都に行き研鑽を重ねることと数年経過したときに良持様が亡くなり将門様は地元へ戻ることとなります。また、いとこの貞盛の人柄が全く違って描かれています。吉川英治さんの本では知略を巡らせ自分の身の安全を守る陰湿な嫌な奴とされています。しかし、童門冬二さんの本ではともに都で研鑽するよき友人関係であり、親友と呼べる存在です。しかし、知略にはたけていたことは共通しています。また、父や叔父たちの攻撃から親友 将門様を守ろうとする男気もある好青年として描かれています。

吉川英治さんの本でも童門冬二さんの本でも将門様は人間味あふれる人物として描かれています。人情味のあるお人、家族を大切にするひととして描かれています。義理人情を重んじる任侠人です。将門様が生きた時代は今から1100年程前の時代です。正確に事実が今の時代には残っていません。しかし、吉川英治さんも童門冬二さんもとても魅力ある将門様を引き立てるために登場人物の個性をそれぞれ描かれたのだと思います。

この度、将門様について勉強しようと思ったのは深川不動尊様と神田明神様の縁起を見て「あらら~」と思ったことがありました。深川不動尊様は成田山新勝寺の東京別院です。新勝寺は将門様の乱を鎮めるための祈祷をした場所に開山されました。祈祷が行われた数日で乱は沈められたとのことです。一方、神田明神様の御際神として将門様は祀られています。(延慶2年(1309)にご奉祀)将門様は朝廷から謀反を起こした張本人として討伐対象となり、あえなく討たれる事となりました。打たれた後、その首が都の河原でさらし首にされた。死してなお辱めを受ける事となったのです。とにかくひどい仕打ちです。それほどまでの仕打ちを受けたのは、朝廷が将門様をそれだけ恐れていた証明ともいえます。また、時同じくして藤原純友が乱を興し西国から畿内へ向けて進軍していたことも関係していることは明らかです。しかし、将門様は朝廷に反旗を翻す反逆者とされる一方でその死後、400年程経つと神田明神様で御際神として祀られることになります。一方で悪者、他方では神様???なんとも不思議な存在です。勝手に想像していますが、将門様はとても人間的な魅力のあった方なのだと思います。男気があり、一寸不器用で、みんなが何とかしてあげたいと思うような人だったのでしょう。他人への思いやりもあり、困っている人がいたら助けずにはいられない。頼りになる人。困ったときには何とかしてくれる人。故郷の自然を愛し、馬を愛した人。豪快に酒を飲む人。いつも周りを明るく照らす太陽のような人。感情の起伏が激しい人。起こったら手を付けることができなくなる人。家族を愛し大切にする人。味方にするととてもたよりになるが、逆に敵にすると手ごわい人。

将門様の小説を書かれた作家はまだまだ大勢いらっしゃいます。それぞれの作家がどのように将門様を描いているが比べてみたいと思います。今後も将門様の本を読んで勉強したいと思っています。

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